自粛要請が解け、巷では少しずつ開放的な雰囲気になりつつあります。
段々気温も上がっていき、夏の訪れを感じます。
しかしこの原稿がアップロードされるのはギリギリ五月で、一応春です。
今回は春の植物、「山桜桃梅」について紹介したいと思います。
春の花を詰め込んだようなこの名前。
「ユスラウメ」と読みます。
詳細について説明していきます。
このサクラ科の低木は、梅のような淡紅色の花を咲かせ、落花した後の赤い実は桃に似た縦割れがある。まさに名を体で表しています。
この写真は早春、我が家に咲いていたユスラウメです。
梅に似ているでしょうか。桜の花の方が近いように個人的には感じるのですが。
花が落ちても、葉が茂り、まだまだ楽しみはあります。
ちょうど今の時期、ユスラウメは葉陰から実を覗かせます。
母曰く、今年は暖冬の影響で豊作。腰の高さ位の低い木から131個もの実がとれました。
直径1㎝もない小さな実は、色が赤くサクランボに似ています。
昔、ユスラウメは「桜桃」と書きました。ただこれはサクランボを漢字表記したものと同じです。
写真の通り実もそっくりなため、混同しないよう明治時代には「朱梅(ユスラウメ)」と改名されました。
現在は「山桜桃梅」と書くのが一般的ですが、「梅桃」「梅桜」「山桜桃」といった表記もユスラウメを指しています。またサクランボと同じ「桜桃」と漢字をあてても通じます。
「ユスラゴ」「コンメ」という別名でも呼ばれます。
原産地の中国では「英桃」と書きます。
さて、最後に味について書いて、話を締めたいと思います。
まず、生のままで頂きます。
とても酸っぱい。
赤く完熟したものを選んだつもりでしたが、それでも酸っぱい。
形は本当にサクランボの小型版ですが、そのサクランボから甘味が抜き取られた感じです。
一般的にユスラウメの実はジャムやシロップ漬けにされます。
実際適当だと感じ、ジャムをつくってみました。
少し砂糖を入れすぎたのか、ユスラウメらしさは分かりませんが、酸味が程よく中和され丁度いい味になったかと思います。
今回春の駆け込みとして、ユスラウメを紹介しました。
今年は自粛の影響で、あまり春を感じることが少なかったと思われますが、次からの季節はそれぞれの魅力を感じる過ごし方をしていきたいものです。
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