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実物しりとりをしよう!

 誰しも「しりとり」という遊びをしたことは、これまでの人生の中で一度はあるだろう。そう、前の人が言った単語の最後の文字から始まる単語を言っていく言葉遊びである。でも「ん」で終わるものは、「ん」で始まる単語は存在しないからアウト。「いやいや、アフリカの国チャドの首都は『ンジャメナ』だから『ん』も一回ありだ!」というようなローカルルールもあるようだが、それはさておく。



 さて、今回のコロナ禍で日本各地に散り散りになってしまった我々の中で「なにか離れていても楽しめることをしよう」という案が出された。オンラインカードゲーム、オンライン双六、オンライン黒髭危機一髪など様々な案が出されたが、オンラインしりとりという意見が採用された。「オンラインしりとり? そんなもん、電話で話してりゃできるじゃん」と考えたあなた、侮ることなかれ! ただのしりとりではない! 我々が開催したのは、自分の家が丸々試合会場となるオンラインしりとりだったのだ!!


 普通のしりとりは楽しいが、なかなか終わらない……。そこで私達が今回実践するのが「実物しりとり」だ。しりとりをする際に実物を見せなければいけないということでシンプルなルールだが、普通のしりとりよりも難易度はかなり上がる。例えば、身近に「る」から始まるものはあるだろうか? 「ルビー」や「ルンバ」などを持っているご家庭は限られるかもしれない。



ルール1

 単語を言う際に必ずその実物を出さなければならない。今回はZoomを使用し、カメラで実物を映し出すことで実践する。

(本のタイトルは「本」として「ほ」の時に出しても、作品名の頭文字の際に出してもよい。例:「夜と霧」は「本」として出しても、タイトルの頭文字から「よ」の時に出してもよい。)


ルール2

 「ー」で終わる時は、前の文字でも母音でも良い(例:「カレールー」の時は「る」でも「う」でも良い)。


ルール3

 制限時間は一人60秒の状態から始める。一周回るごとに10秒ずつ短くなっていき、5週目以降の制限時間は30秒で固定。



 これらのルールさえ守れば、後のルールは普通のしりとりと同じである。皆さんもぜひ「自分だったら何を出せるか」考えながらご覧いただきたい。

しりとりはこの順番で行う。



ジョルジュ・デ・キリコ ▶︎ きんつば ▶︎ B ▶︎ ゆーしーない ▶︎ 昭和 ▶︎ まそ、

第一ラウンド


▶︎ ▶︎ ▶︎ × ▶︎ ▶︎ ラスチッ▶︎ ラッ

<参加者コメント

・かぶとの存在感よ。


・「色鉛筆」ではなく「あか」としたり、材質名で勝負に出るあたりに参加者の本気度が伺えますね。


・端午の節句なんてとっくの昔に過ぎたのに、季節外れの兜が飾ってあるの驚きです。

なんと最初から脱落者が!

ゆーしーないさん、今のお気持ちをお聞かせください。



こんなに早く脱落してしまうとは思いませんでした……。



第一ラウンドにしてまさかの脱落者。どうなってしまうのでしょうか。

続いて第二ラウンドです。


第二ラウンド



レー▶︎ れからの「正義」の話をしよ ▶︎ どんの▶︎ × ▶︎ くし ▶︎ んせいゲー ▶︎ ×


<参加者コメント>


食糧棚漁ってたらこれが。うどんに入っていたことは、今のところありません。

第三ラウンド



シュー▶︎ ーゲッ▶︎ ▶︎ ×

<参加者コメント>

・受験生だったときには英熟語集を実物しりとりに使うなんて思いもしなかったでしょうね。早大名誉教授もびっくりでしょう。

・憎めない顔が印象的なムシューダのマスコットキャラクター、ムッシュ熊雄というらしい(実話)。

・ターゲットに懐かしさを感じるなんて、あの時から随分と時計の針が進んでいたのね……。

選手たちの個性が溢れるラウンドでした。

第二ラウンドで「人生ゲーム」を出し観客席を沸かせた昭和さんですが、こちらで脱落となってしまいました。昭和さん、ひとことお願いいたします。


「い」を見つけることに執着しすぎて、しりとりであることを忘れてしまっていた……。「ん」で終わるもの見つけてもそりゃダメだわな(()笑)


実物しりとりの難しさのよく分かる局面でしたね。次は第四ラウンドです。

第四ラウンド



ちょうや▶︎ くさ ▶︎ らざんま

<参加者コメント>

・草の生命力に感動した。


・ビオフェルミンを胃腸薬と解釈するファインプレー。それにしてもビオフェルミンって美味しい。ご飯のお供にもってこい。

・『さらざんまい』非常に絵がきれいですね、内容が気になります。アニメ観ようかな。

脱落者が出ず、非常に安定した試合となりました。草、綺麗ですね。長時間のパソコン・スマホ操作で疲れ目の観客の皆様、どうぞ草の画像で癒されてください。

次は第五ラウンドです。

第五ラウンド


いぬ ▶︎いぐる ▶︎ッフィー(い)▶︎×

<参加者コメント>

・ほのぼのするターンですね。「いぬ」も「ぬいぐるみ」も犬という、わんちゃん大活躍の回でした。

・ミッフィーの口が「×」なのって冷静に考えると怖いです。

・かわいいのベルトコンベア?

いぬのミニチュアにぬいぐるみ、そしてウサギ。清少納言も驚きのかわいらしきものを次々と見つけだしていく選手たち。その眼識、そしてそのスピード、思わず圧倒されてしまいます。

しかしここで脱落者が! かわいらしさに油断してしまったのでしょうか。

なべさん、コメントをお願いいたします。



「い」から始まる言葉をたくさん調べることにします。次こそは負けない……!


なるほど、確かに傾向として「い」に弱い選手が今回は多いようですね。

ではここから第六ラウンドです。

第六ラウンド


ンドぶっきょう▶︎ ゃかいがくへのしょうた▶︎ つも心に好奇心(ミステー)

<参加者コメント>

・インド仏教史の帯の漢字率から漂う、決して容易ではなさそうなオーラ。所有者に話を聞きたいところです。

・『社会学への招待』というタイトルなのに初学者に優しくない。『社会学からの虐待』と言っても過言ではない。

・この流れ、文キャンらしさを感じます。

いよいよ上位三名での対決になりました。さすがのスピード感。

上級者の出す余裕でしょうか、三選手とも本のタイトルで揃えてきました。美しい統一感!これが実物しりとりの王者たちです!

待機時間が短くなるため、少人数の試合では語彙の他にスタミナが非常に重要となってきます。手に汗握る展開となってまいりました!

第七ラウンド

▶︎ ふく ▶︎ ×


<参加者コメント>

・「灯台下暗し」という諺もあるように、身近にあるものって意外と気づきにくい。

 

・身だしなみに関わるものが出てきましたね。

ジョルジョ・デ・キリ子選手、第六ラウンドのテンポ感を崩すことなく鮮やかな出だしでした。きんつば選手の切り返しもさすが上級者といったところ……! そしてBさん、惜しくも敗退となってしまいました。今の心境をお願いいたします。



脱落してから、「」まのぬいぐるみがじっとこちらを見ていたのに気がつきました、ごめんよ……。



脱落した直後に戦法を思いつく、これは実物しりとり選手が何度も経験することです。その悔しさは測り知れないものですが、B選手の健

闘を、くまは見届けていたことでしょう。

さて、八ラウンド以降はきんつば選手とジョルジョ・デ・キリ子選手の一騎打ちとなります。二選手は一体どんな試合を見せてくれるのか、期待が高まります。

第八ラウンド

ラッカー(あ) ▶︎ ベノマス


<参加者コメント>


・賛否両論が渦巻くアベノマスク。実物しりとり以上に役立つ使い方なんてあるだろうか(皮肉)。

第九ラウンド

ミンシー ▶︎ うメダル ▶︎ (終わり)

ジョルジョ・デ・キリ子選手のクミンシード。カレー好きが功を奏したようです。そしてきんつば選手が繰り出したのは銅メダル。「勝ちに行く」という強い意志を感じますね。次は「る」で始まる物ですが……。おっとここでジョルジョ・デ・キリコ選手脱落です。銅メダルがクリーンヒットしたようです。

ジョルジョ・デ・キリ子選手コメントをお願いいたします。


「ル」ーレットを出そうとして焦って椅子にぶつかるなどしているうちに脱落……。何事も焦りは禁物ですね……。


<優勝者コメント>


「放送席〜放送席〜、今のお気持ちは?」

「そうですね、1限のしりとりに備えて早寝早起きしたので、その結果が出せてよかったです! ファンのみなさんのおかげです! ありがとうございました!!」


 

いかがだっただろうか?


 言葉でなく「実物」を用いたしりとりは今回が初の試みだったが、やってみると9ラウンドにまで達する熱戦となった。これだけ聞くとあたかも楽勝なように思えるかもしれないが、この「実物しりとり」、もちろん星の名前であったり、神話に出てくる神の名前であったり、身近にない物は使い物にならない。ここがまず難しい。しかも、日ごろの生活でどれほど物の名前と密接に暮らしてきたかが勝負の分かれ目となる。世の中には日ごろ「物は名前が付けられて初めてそこに存在するようになるんだぜ(ドヤ)」とか言ってる割に、物の名前をいちいち意識して暮らしていない人が案外多いのではなかろうか(私はそうである)。

 

 逆に、固有名詞をできるだけ多く登場させるのが勝つためのコツのようである。置いてある本やゲームのタイトル、消臭剤の商品名などなど、普通のしりとりでは何となく伝わりにくい物でも、「実物」を見せれば簡単に存在を相手に証明できる。後半まで生き残ったプレイヤーたちはみなこの手を打っていた。

 

 コロナ禍によって家にいる時間が長いまさに今、「実物しりとり」を通して自分の部屋を観察することで、物への愛着を深めてみてはどうだろうか。

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